2025年7月19日、ヒューマントラストシネマ有楽町で『海がきこえる』のリバイバル上映を友人と観ました。
この作品は、私にとって昔から少し特別な存在です。若い頃に氷室冴子さんの原作小説と続編を読み、杜崎拓の大学生活を見ながら、「大学に行ったら、こんな生活があるのかな」と想像していました。
2024年にも東京都内で上映の機会がありましたが、私は仕事の都合で行けませんでした。だから2025年に全国リバイバル上映が決まったときは、今度こそ映画館で観たいと思っていました。
この記事では、満席だった有楽町での鑑賞体験と、若い頃に原作を読んだ私が、年月を経てもう一度『海がきこえる』を観て感じたことを書きます。
2025年7月19日、ヒューマントラストシネマ有楽町へ
私が観たのは、2025年7月19日(土)12時10分の回です。『海がきこえる』は同年7月4日から全国でリバイバル上映が始まり、ヒューマントラストシネマ有楽町では7月18日から上映されていました。
少し早めに到着したロビーは、思ったほど混雑していませんでした。私はジンジャーエールを買い、友人にもドリンクを買って上映開始を待ちました。
ところが、入場してみると満席でした。30年以上前の作品を観るために、これだけの人が集まっていることに驚きました。満席を示す表示が出ていたので、その画面も写真に残しています。

私たちの席は一番後ろの列でした。後ろすぎるかなとも思いましたが、実際に座ってみるとスクリーン全体を見渡しやすく、私はこの位置でよかったと感じました。
2024年は行けなかった。だから2025年の上映がうれしかった
2024年にも東京都内で『海がきこえる』の劇場上映がありました。ただ、私は仕事の都合で行くことができませんでした。
映画は家でも観られますが、「映画館で観られる機会」はいつでもあるわけではありません。『海がきこえる』は1993年に日本テレビで放映された作品で、2025年は初の全国リバイバル上映でした。
そのため、満席の劇場に入った時点で「今回は来られてよかった」と思いました。作品を見る前から、前年に行けなかったことを一つ取り返したような気持ちがありました。
大きなスクリーンで観ると、高知の風景と音が印象に残る
映画館で改めて観て印象に残ったのは、高知の風景です。強い夏の日差しや海、街並みが大きなスクリーンに映ると、家で観るのとは違う存在感がありました。
もう一つ印象に残ったのが高知弁です。登場人物たちの話し方には独特のリズムがあり、それが作品の空気をつくっています。音楽も含めて、映像だけではなく「音を聞く作品」でもあるのだと改めて感じました。
劇場では周りのお客さんも静かに作品を観ていました。満席なのに上映中は静かで、その中で音楽や会話が聞こえてくる。この環境も、映画館で観たからこそ印象に残った部分です。
私にとって『海がきこえる』は、これからの青春を想像させてくれた作品だった
私は若い頃、氷室冴子さんの原作小説『海がきこえる』を読みました。細かな時期までは覚えていませんが、原作だけでなく続編も読んだ記憶があります。
当時の私にとって、この作品は単なる青春小説ではありませんでした。
高知から東京の大学へ進み、一人暮らしを始める杜崎拓。高校までとは違う人間関係が始まり、自分の生活を自分でつくっていく。そんな姿を読みながら、「大学に行ったら、こんな生活があるのかな」と想像していました。
新しい友人ができたり、東京でいろいろな場所へ出かけたり、もしかしたら里伽子のような人との出会いもあるのかもしれない。今振り返れば少し気恥ずかしいところもありますが、そういうものも含めて、これから始まる青春や大学生活を期待させてくれた小説だったのだと思います。
よく映画やドラマを見て、「東京へ行ったら、こんな生活が待っているのかな」と憧れることがあります。私にとって、その役割を果たした作品の一つが『海がきこえる』でした。
続編で描かれた大学生活の何気ない場面も印象に残っています。たとえば、服を買いに出かけるような、大きな事件ではない日常です。むしろ、そういう普通の大学生の生活に私は惹かれていたのかもしれません。
年月が経って観ると、昔とは違うところが気になった
若い頃は、拓や里伽子がこれからどうなるのかを追いながら読んでいた記憶があります。
今回、映画館で観ていると、以前とは少し違いました。登場人物が何を言ったかだけではなく、言わなかったことや、相手との距離の取り方のほうが気になります。
拓と里伽子は、今観てもかなり不器用です。簡単に気持ちを説明せず、すれ違ったまま進む場面もあります。その距離感が、今の私には以前より印象に残りました。
作品そのものは同じなのに、自分の側が変わると見えるものも変わる。それも、昔好きだった作品をもう一度観る面白さでした。
スマホのない時代が、今観ると逆に新鮮だった
作品の中には、今ならスマートフォンで済んでしまうような場面がいくつもあります。すぐに連絡できない。相手が今どこにいるのかも分からない。
ただ、私はそこを「昔だから不便」とは感じませんでした。むしろ、連絡が簡単ではないからこそ、人との距離やすれ違いがそのまま物語になっているように感じました。
30年以上前の作品ですが、今観ると古さだけではなく、現在との違いそのものが面白さになっています。
一緒に観た友人とは、懐かしく感じるところも違った
今回、一緒に観たのは年上の友人です。
上映後には、作中の飲み物や高校生たちの雰囲気などについて話しました。私が「昔読んで憧れていた作品」として観ている一方で、友人は私とは違うところに当時の空気や懐かしさを感じているようでした。
同じ映画を隣で観ていても、それぞれが持っている記憶によって感じるところが違います。その話を映画館を出たあとにできたことも、今回のリバイバル上映で印象に残っています。
『海がきこえる』は、昔の自分まで思い出させる作品だった
若い頃には、これから始まる生活を想像しながら読んだ『海がきこえる』。それを年月が経ってから映画館で観ると、今度は作品と一緒に、当時の自分が何を期待していたのかまで思い出しました。
2024年は仕事で行けず、2025年にようやく映画館で観ることができました。大きなスクリーンで見る高知の景色、劇場に広がる音楽、そして満席の客席。今回の上映で、この作品にもう一つ自分の思い出が加わりました。
DVDやBlu-rayで何度でも観られる作品だからこそ、逆に劇場で上映される機会があれば、私はまた足を運びたいと思います。
2025年リバイバル上映の記録
- 作品:『海がきこえる』
- 2025年全国リバイバル上映開始:7月4日(金)
- 鑑賞日:2025年7月19日(土)
- 鑑賞回:12:10
- 劇場:ヒューマントラストシネマ有楽町
- 同劇場での上映開始:7月18日(金)
『海がきこえる』は1993年5月5日に日本テレビで放映された、スタジオジブリの作品です。作品情報はスタジオジブリ公式サイトで確認できます。

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